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肝臓サポート、l/dの使い方、肝臓が悪いだけで使っていいの?

こんにちは!今回は、肝臓用療法食の使い方について説明したいと思います。

肝臓療法食は、ロイヤルカナンの肝臓サポートやヒルズのi/dなどがあります。

実際の臨床現場を見ると「肝臓が悪い、肝酵素が上昇している」と言われたからとの理由で、肝臓用の療法食を食べさせている飼い主さんたちが多いです。

実は、これだけの理由で肝臓用の食事を与えるのは間違いです。

結論を言うと、、

肝臓用療法食の適用症例として以下のものが考えられます。

高アンモニア血症(門脈シャント、肝不全を伴っている)

血液検査をして、アンモニアという項目が正常範囲より高い時に使います。

肝性脳症がある。

血液中のアンモニアは毒素です。脳に到達すると痙攣発作を起こします。

愛犬が上記の症状がある時に、肝臓用の食事が使えます。

なぜ、肝臓用の食事が適用になるのかは気になる方は↓

肝臓療法食ってなに??

肝臓療法食って何かと聞かれると、一言で言えばタンパク質の量が少ない食事のことです。

タンパク質はアミノ酸に分解されて、最終的にはアンモニアになっていきます。

そうして体内で増えたアンモニアは先ほど、述べたように脳に到達し痙攣発作を起こします。(これが肝性脳症です)

この血液中でアンモニアが増えることを防ぐのが肝臓療法食の役割です。

肝臓療法食はタンパク質の量を少なくして、アンモニアの発生を抑制することができます。

つまりアンモニアを減らすことが目的です

飼い主さんに多い間違い

飼い主さんに多い間違いは肝酵素が上昇しているという情報だけで用いている場合です。

肝酵素とは、肝臓が傷ついたり疲れた時に肝臓の細胞からでてくる物質です。

血液検査で肝酵素が計測できるのですが、一般的に肝臓が傷ついた場合には正常より高い値が出てきます。

獣医さんは、「ちょっと肝臓が悪いですね〜」といってウルソ(強肝剤)を出されたり、ステロイド、抗生物質を打って様子見をすることもあるかと思います。

しかし、飼い主さんの心境としては肝臓に気をつけなきゃと思って、肝臓療法食を使いたくなると思います。

肝酵素の上昇には肝臓腫瘍、肝炎、副腎、胆管閉塞、高脂血症の病気などの様々な可能性が考えられます。

もし、アンモニアが高くなっていて肝性脳症の危険性がある場合は使ってもいいですが、肝酵素上昇の原因がはっきりしない場合には、あまり使うことをお勧めしません。

それはなぜかというと、、↓

肝臓用療法食にはデメリットもある。

①肝硬変や肝炎の状態で肝臓の修復に良質なタンパク質が必要なのにタンパク質が少ない食事をあげていてもかえって、治りが遅くなります。

②高脂血症の場合、脂肪などを制限していないため胆嚢に石を作ってしまう。
進行すると、胆管が詰まる病気になってしまいます。

③タンパクの制限により、体中の毛艶がなくなる。
人間の肌や髪の毛もタンパク質でできています。犬猫でも同様のことが起こると考えられます。

④タンパクの制限により腹水が出てくる。
腹水はお腹の中に水が溜まってしまうという病気です。
タンパク質は血液の中で、浸透圧を維持することにも役立っています。
タンパク質が減少すると浸透圧が減少して血管から水が溢れ出してきます。
結果お腹の中に水が溜まってきます。

動物病院での裏事情

上記で、肝酵素が上昇している子にとりあえず肝臓療法食を与えることはお勧めしないと言いました。

しかし実際、肝酵素が上がっている子にとりあえずで肝臓療法食あげることもあります。

犬の肝炎で多い銅蓄積性肝炎は肝臓療法食をあげることにより良くなることもあります。また、タンパク制限されているため肝臓への負担も減らすことを目的にあげることもあります。

こういった面から、実際には、肝酵素上昇の原因がわからなくても試験的に肝臓療法食を与えることもあります。

肝臓が悪いと言われたらどうしたらいいのか??

原因の究明が必要です。上記でも述べていますが肝酵素の上昇には様々な原因があり治療法も変わってきます。

原因を知るためには、肝生検が必要です。

肝生検とは、実際に麻酔をかけて肝臓の一部を切り取って顕微鏡で観察することを言います。

こうすることで大体の原因がわかります。

原因をしっかりと究明して、治療していきましょう。

しかし、麻酔をかけたくない、お金がないという方もいらっしゃると思います。

そういった方にはやはり試験的に肝臓用療法食やステロイド、抗生物質を投与して様子を見ていくという方が多いと思います。

肝臓用療法食の容量、用法

肝臓用療法食で有名なのはロイヤルカナンの肝臓サポート、ヒルズのi/dです。

他の肝臓療法食はあまり聞かないし、僕個人として自信を持ってお勧めできるのはこの2つかなと思います。製造会社も大きな会社ですので、信頼はできると思います。

どれくらいの量の餌をあげるべきかは、体重によって与える量が変わってきます。詳しい給与量はロイヤルカナン、ヒルズのホームページに用法が書いていますので参考にしてみてください。

https://www.hills.co.jp/dog-food/pd-ld-canine-dry(ヒルズ l/d)

https://www.royalcanin.com/jp/dogs/products/vet-products/hepatic-hf-16(ロイヤルカナン 肝臓サポート)

注意することは、血中のアンモニアの濃度が上がりすぎないように、1日の食事を少量頻回で与えるようにしてみてください。

また、おやつをあげる方もいらっしゃると思いますが、せっかく肝臓用の食事でタンパク質を制限している努力が水の泡になるのでやめましょう。

まとめ

肝酵素の上昇=肝臓病というわけではなく、肝臓用療法食が適応になるかは高アンモニア血症を呈しているかどうかです。

診断的治療の目的で試験的に肝臓用の療法食を与えることもあります。

肝酵素が上昇しているという情報だけで、肝臓療法食を与えることはお勧めできませんので、獣医さんとしっかり相談して与えるようにしましょう。