犬の肝炎ってどんな病気??原因と治療は??

今回は、犬の肝炎についてご紹介したいと思います。
犬の肝炎は、よく「食べない、吐く、元気がない」または「腹水が溜まっている」といった訴えで来院することが多いのですが、エコーや血液検査ではこれといった特徴がなく、確定診断するには肝生検といって手術によって肝臓の一部を取ってこなければならないのでなかなか確定診断をするにはハードルが高い病気です。
今回は、この肝炎という病気についての基礎知識と飼い主さんにできることを紹介したいと思います。

どうして肝炎になるの??原因と治療は?

肝炎の原因は大きく分けることができ、原因によって治療も変わってきます。

・特発性(原因不明)→原因特定、対症療法
・銅関連性肝炎   →銅キレート剤
・自己免疫性    →免疫抑制剤
・感染       →抗生物質

*肝炎の好発犬種

肝炎になりやすい犬種、好発犬種があります。
その中で日本によくいるのはドーベルマン、ラブラドール、アメリカンコーカースパニエルぐらいでしょうか。
原因は銅関連性肝炎が多いです。
こういった犬種を飼っている方は要注意です。

どういった症状が見られることがあるの??

食欲元気低下、嘔吐など一般状態の低下が見られますが、特徴的な所見としては以下のようなものが認められます。

・腹水
・黄疸
・低タンパク
・黒色便

一番の所見は腹水が溜まっていることが多いと考えられています。また、眼の粘膜や体の肌の色が黄色くなる黄疸という所見も認められます。

血液検査では肝臓の機能が落ちているため低タンパクを示したりします。
また肝炎が進行すると胃腸など消化管からの出血が起こることがあります。その結果便の中に血が混じっていつもより黒っぽい便をすることがあります。

診断はどうするの??

肝炎は冒頭でも述べたとおり、生検することで確定診断することができます。しかし、生検するためには、麻酔のリスク出血のリスクがあります。
薬は主に肝臓で分解されるため、麻酔の管理は難しくなることが考えられます。
また、肝臓は血を止める物質を産生しているので、肝炎が起きている場合は出血しやすくなることが考えられます。
こういった生検のリスクが大きいため、ハードルは高いです。
一般の病院は、大まかな診断をつけて薬を出していることが多いと思います。原因は上記の中にあることがほとんどですから。

予後はいいの??

厳しいですが、肝炎の予後は比較的悪いです。
ドーベルマンやラブラドールの場合は2,3ヶ月や半年で亡くなってしまうことが多いです。しかしコーカースパニエルの肝炎の場合は比較的長生きをすることが知られています。だいたい2、3年は生きるようです。
(ある論文では、アメリカンコッカースパニエルの肝炎での生存期間は中央値913日と言われています。)
American Cocker Spaniel chronic hepatitis in Japan. 2013 Sep-Oct;27(5):1041-8. doi: 10.1111/jvim.12126. Epub 2013 Jun 19.

飼い主さんにできること

食事療法です。肝臓に負担がないような肝臓療法食に変えてあげることが一番効果があることだと考えられます。
肝臓療法食は、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあるので、しっかりと担当の獣医師の指示を仰いで使いましょう。

まとめ

犬の肝炎は、なかなか飼い主さんも獣医さんもなかなか気づきにくい病気です。
そうした状況でも、好発犬種や特徴的な症状を知っておくことで早めの対応ができると思います。ぜひこの記事に書いたことを生かしてペットとの楽しい毎日を過ごしていきましょう。